銀行の不良債権比率、4月は12年ぶり高水準

フィリピン中央銀行によると、2021年4月末時点の国内銀行の不良債権(速報値)は総額4,636億5,900万ペソ(約1兆660億円)となり、前年同月から84%増加した。不良債権比率は前月の4.21%を上回る4.35%で、約12年ぶりの高水準となった。7日付ビジネスワールドなどが伝えた。

不良債権は4カ月連続で増加した。新型コロナウイルス対策法に盛り込まれた融資返済の猶予が20年末に失効したことや、マニラ首都圏と周辺4州で新型コロナ対策の外出・移動制限措置が厳格化された影響で、企業や個人の返済能力が低下したことが背景にある。銀行の貸倒引当金も、4月末時点で前年同月比58%増の3,778億1,100万ペソに上った。

中銀のフォナシエ副総裁は4月、不良債権比率は当面上昇が続き、年内に5%を超えるとの見通しを示した。一方、2月に成立した「金融機関戦略的移管(FIST)法」が不良債権の抑制に効果をもたらすことに期待を示した。

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この記事の監修

家村均
家村均

一般社団法人 フィリピン・アセットコンサルティング
エグゼクティブ・ディレクター
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慶応義塾大学経済学部卒業後、東急に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。
また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。(約15年)
その後は、コンサルティングファーム(アクセンチュア)や投資ファンド(三菱UFJキャピタル)などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施し、2018年10月より、GSRにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産への投資や事業進出のアドバイザリーを行っている。

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