データセンター事業に商機 5G、コロナ禍で国内外から需要

フィリピンで国内外の企業がデータセンター事業の強化に乗り出しました。新型コロナウイルス禍や第5世代(5G)移動通信システムなどの登場でデータ需要が拡大しているほか、世界のIT大手からの受注を見越した先行投資です。個人情報に対する規制を強化する国・地域を逃れるためにサーバーを移転させる動きもあり、データセンターの整備で出遅れたフィリピンにとって商機になるとの見方もあります。通信大手2社は先手を打っています。グローブ・テレコムは16日、シンガポールのデータセンター運営大手STテレメディア・グローバル・データセンターズと提携することで合意しました。合弁会社を設立し、長期的に国内外で最先端のデータセンターを建設します。グローブは子会社インノブ・コミュニケーションズを通じ、2001年からデータセンター事業を展開しています。
PLDTも先月、世界的なテクノロジー企業やクラウド事業者向けに国内で最大規模のデータセンターを設置すると明らかにしました。詳細は公表していないが、同社が保有するデータセンター10カ所を合わせた規模より大きいそうです。
米系調査会社IDCアセアンのスデブ・バンガ代表はNNAに対し「国内ではインターネット通販需要が拡大している。世界的なIT大手は自社で全てデータセンターを設置するのは難しく、フィリピンの企業などにも商機がある」と説明しています。
データセンターの一大拠点である香港などからサーバーを移転する受け皿となることで一定の需要もあります。中国政府が香港への統制を強化しているため、安全保障への懸念が浮上していることが背景にあります。
通信大手2社以外も先行投資に動いています。地元紙ビジネスワールドなどによると、実業家デニス・ウイ氏が率いるウデンナ・コーポレーション傘下の通信持ち株会社ディトCMEホールディングスは、超大型データセンターの設置を検討しており、海外3社と交渉を重ねています。建設地はパンパンガ州のクラーク自由港となる公算が大きいです。
ディトCMEのアーネスト・アルベルト社長は「世界的な大手クラウド事業者を国内に誘致するための投資になる」と説明しました。同社は今年3月にサービスを開始した第3の通信会社ディト・テレコミュニティーの過半株を保有しています。
通信サービス会社コンバージICTソリューションズも、中部セブ州マンダウエ市にデータセンターを設置する計画を発表しました。8月には新興IT企業ビー・インフォメーション・テクノロジー・フィリピン(ビーインフォテック)が、マニラ首都圏パシッグ市にデータセンターを開設しました。
海外企業もデータセンターの開設に乗り出しています。中国電子商取引(EC)最大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)傘下でクラウドサービスを手掛ける阿里雲(アリババクラウド)は、年内に首都マニラでデータセンターの開設を目指しています。

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